概論

ワーランドってなに?

 富士通から発売されたシミュレーションゲーム『エーベルージュ』をはじめとする一連のソフトは,ワーランドという世界を舞台としています。このワーランドとは,
『エーベルージュ』『ファンタスティックフォーチュン』『トリフェルズ魔法学園』など一連の作品の舞台となる世界。または世界観
それらの作品をひとまとめにしたシリーズ名
「ワールド(world)」と「ランド(land)」の合成造語
 とでもなりますか。

 この世界観にのっとって,パソコン,家庭用ゲーム機などでゲームや素材集が発売されているほか,音楽CD,トレーディングカードなどのグッズも発売されています。

 もともとワーランドは,戦略シミュレーションやネットゲームなどを想定して作られたプロジェクトで,とっつきやすいようにと,恋愛育成ゲームが最初に発売されました。実際,国内,海外でそこそこの本数を出荷しています。

 数え切れないほど世に出た恋愛育成モノのなかでは,じゅうぶん中堅どころに位置する作品ですが,システムに独自性を発揮できなかったことや,パソコン版のイベントの少なさ(プレイ期間の長さ),ゲーム開発に意欲のなかった富士通の社風などが,メジャーになれなかった要因でしょう。

 しかし,根強いファンは残っています。企画発起人の六川氏は,いまだやる気十分ですし,プロジェクト的にやり残しが多いため,まだまだ発展する可能性を秘めた作品でもあります。


主な作品群

 ワーランドに関連したソフトを,大まかに紹介します。細かいソフト区分は,ソフトウェアと販促品をどうぞ。

『エーベルージュ』
 8〜9歳という幼年期からスタートする恋愛育成SLG
 戦争,自然破壊から滅亡の危機に瀕する世界を救うことがベスト・エンディング
 主人公は,アンヘル種族の女性をパートナーとし,創造魔法の使い手となるべく修行する
 北爪宏幸氏のデザインした女性キャラクターたちが魅力
 ドイツロマン主義をほうふつとさせる剣と魔法の世界観
 256色で描かれた美麗グラフィック
 イベントが少なく,育成もクセがあり,やや単調な感がある
 イベントが結末まで用意せず,プレイヤーの想像にまかせる部分が大きい

『エーベルージュ2』
 ワーランドに隠された秘密を探り,迫る大艱難に立ち向かう恋愛育成SLG
 まったく新しい登場人物を配置し,前作主人公の弟が活躍する
 いままで踏み込めなかった土地を旅ができるようになった
 おなじみの登場人物たちの知られざる過去があきらかに
 シナリオが消化不良
 グラフィックはかなり未完成状態

『ファンタスティック フォーチュン』
 富士通がエンターテインメント事業から撤退しはじめたころの作品
 女性ユーザーを意識したゲーム内容
 グラフィックはきれいだ
 コーエーの『アンジェリーク』と比較されてしまうことが多い

『トリフェルズ魔法学園』
 プレイステーションで発売された,アスキー(現在はエンターブレイン)の対戦恋愛シミュレーション・ゲーム
 女の子の人気を得るために,食事会で話術を披露したりと,涙ぐましい努力をする2人の少年の戦いを描く。

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