エーベルージュ  恋と魔法の学園生活


9月16日(日)

 コーが体育館で読書にいそしむ姿を見て,文学に目覚めてしまった私は,文学の授業を受講。
 その結果はこんな感じとなりました。

 
1週間前の
ステータス
先週の授業内容
その成果
現在値
体 力 200   文学学習×1

 休息×5
  + 0  200
武 術 83    − 1 82
文 学 44    + 5 49
理 学 50    + 0 50
芸 術 44    + 0 44
武術魔法 71    − 1 70
治癒魔法 52    + 0 52
創造魔法 47    + 0 47
ギド 90    90

 文学学習は,今まで上げてきた武術と武術魔法に,思い切り反発する属性のようであります。

 また,このゲームは,どうやら体力以外の要素については
   授業に成功……+5で上がるステータス×1/-1で下がるステータス×2
   授業に失敗……すべてのステータスに変化なし
 という,わかりやすい結果が待っているようで,調べるほうとしては,かなり助かります。

 何度も引き合いに出す初代『エーベ』(96年)では,かなりエグい仕様になっていまして
   ・棒グラフだけで数値での表示がなく,ステータスが増減が確認できない
    →画面キャプチャーをして,ドットを確認していました
   ・成功・失敗の両方で,いろいろなステータスが増減する
    →連立方程式で増減を割り出していました
   ・慣れていない授業は最初上がりにくい?
   ・創造魔法はノイシュとの関係が重要
   ・「優しさ」などの隠しパラメータがある
    →ミュゼアムさんの占いを最大活用
   ・棒グラフを振り切っても,さらにステータスが上げられるが,確認できない
 などなどありまして,


 
「体力の回復量だけでも,えらい苦労して調べました」


 今となってはいい思い出です。



 さて,今日の予定ですが……いろいろやることが多くて,まだ全てのメニューを試したことがありません。

 とくに,日曜日に「体を休める」なんて……日曜日に休めるなんて……。

 えぐっ……えぐっ。

 休み……なにもしないで寝るだけの生活……仕事も行かずに,洗濯も食器洗いも……。

 そんな……ゼイタクが……うあ…………うぁあああああああ!?

 ――ゼェ,ゼェ。

 ゴホっ。

 ――すみません。現実を思い起こして,思考が中断してしました。

 もう大丈夫です。強く生きていけます。
 さて, とくに一度はやってみたかったのは,メニューの最後にある


「告白をする」


 であります。
 これは,「非常ベルのボタンを押したい」「警察に電話したい」「パトカーを呼ばれたい」「刑事に職務質問されたい」「救急隊員のストレッチャーに載せられたまま駅の改札を切符も見せずに通り抜けたい」などなどに代表されるように,男と生まれたからには,1度は経験したいイベントです。

 そう思いません?

 いや,別に,今まで一方的にコクられてばかりで,自分から思いをうち明けるなんてことがなかったとか贅沢な悩みを言ってるわけじゃありませんよ。

 いやいや,たしかに,興味もない女の子の側から,やたらと近寄ってきたのは,事実ですがね。

 ノイシュとか,エルツとか,リンデルとか,コーとか……。


「全部ゲームの話かいッ」 (独りボケツッコミ)


 というわけで,今日は貴重な休みを,告白に費やしたいと思います。

 いいかげんな学生生活でしたので,告白できるのはコーちゃん一人だけですが,私のお気に入りキャラなので,全然問題はありません。
 さっそく,場所を指定して,呼び出します。
 まだまだ会話も少なく,仲がいいとは言えませんが,呼び出してしまえばこっちのもの

 すみません,また邪念が入りました。

 これから仲良くなるために,勇気を出して告白するのです。ええ,そうなんです。
 彼女と会って間もない私ですが,まずは振り向いてもらって,これから好きになってくれればいい。
 初めて会ったときのインスピレーションが本物だったら,きっと,その後もうまくやっていけます。

 約束の時間,少し遅れて彼女はやってきました。


「コー,君が好きだ!」


 いきなりです。
 彼女,面喰らってます。言葉が出ないようです。
 あ,ようやく口を開きかけました。

【コー】
ご,ごめんね……。
あたし,そんな話まだ聞きたくなかったの。


 
「GuAAAAAAAN!(ガーンっっ)」


 予想はしていたけど,やはりショックです。ちょっとアメコミ入ってしまいました。

 敗者はただ去りゆくのみ。そんな私の背中を彼女が引き留めます。

【コー】
あ……でも……カレナック君!
あ,あのね。でも,あたし嫌いじゃないから
だから……もっと,一緒にいたら……。もしかしたら……。
それから,改めてってことで,いい?

 そそそれは,少し希望が持てたのかな?

 「BOYS BE・・・」(イタバシマサヒロ)とか「SALAD DAYS」(猪熊しのぶ)だったら,ともすればこれでハッピーエンドなんだけど……

 無情にも月日は流れ,

 結局,友達より親密な関係にはなれなくって……

 失意のまま学園生活を終えることになったとさ。どっぺん。


「うっかり告白したら,これで,終わりかい!」


 これじゃあ,あんまりだよぉ〜。
 オレの未来を勝手に語るなよ〜。

 そ,そうだ,あの時,あの告白さえしなければ,ギクシャクしたこともなく,いい関係が続けられたかもしれない。
 それに,あの時,彼女に告白さえしていなければ,誰かが私の部屋にやってきたかもしれない。
 たとえば,そう,えーと,藤崎しおりとか。って,ゲームが違うのか。

 で,こんな選択肢が最後に出ました。

●最初からやり直す
●データを削除する
●このまま終了

 えーと,これは,なにがどうなんざましょ?
 安心してください。メニューを選択してから詳しい説明が表示され,その時にまた[はい/いいえ]で確認があります。

 ●最初からやり直す……ユーザー登録データ:残す/セーブデータ:初期化
 ●データを削除する……ユーザー登録データ:削除(退会扱い)
 ●このまま終了……ユーザー登録データ:残す/セーブデータ:最後にセーブしたときのまま

 未練がましい私は,当然「このまま終了」。

 そうだ,残された時間にプレゼントを買うとか,イベントでいいところを見せるとかあるじゃあないですか!


「なにも好き好んで死に急ぐことはない」


 むむ,なんだか表現が非常に不適切な気がしてダメダメです!

 とにかく今日のことはなかったことにして終了〜っ。





前のメニューにもどる 次回こそは,きっと!